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まもれシモキタ!行政訴訟の会

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記事初出:2007年07月11日 seesaaブログからの引っ越し。
未だ続く問題で根本の問題点は今もかわっていないため転載しとく。

下北沢再開発計画の見直しを求める、行政訴訟に関する説明会に参加してきました。

このシモキタを巡る再開発は、いろいろなプレイヤーと事情が絡み合っているので、実は今まで中々キチンと整理できていなかったのだが、昨日の説明会でようやく全体像がわかった。

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基本的に、行政が計画している、下北沢の再開発は、3つの柱がある。
1:下北沢北口商店街を貫通する、幅最大26メートルにもなる大型道路、補助54号線の敷設。
2:小田急線下北沢駅の地下化のための「連続立体交差事業」と、駅の地下化に伴って生まれる跡地の利用方法。
3:世田谷区による、下北沢駅周辺地区の地区計画。

それぞれの柱は、独立して動いているわけではなく、もちろん密接にリンクしながら事は進んでいる。
それぞれ、どのような問題を孕んでいるのか、個別にまとめてみる。

まず、1。
補助54号線の計画自体は、昭和21年に地表をはしる幅15メートルの道路として作成され、昭和41年に小田急線を跨ぐ形(オーバーパス)に計画変更された。この時、道路幅も15メートルから、26メートルに拡張された。
そして、平成13年の小田急線下北沢駅の地下化決定されたため、オーバーパスとして作る必要が無くなったため、平成15年に再び地表を走る道路として計画変更された。
しかし、地表を走る道路として、再度計画変更されたにもかかわらず、道路幅は、そのまま26メートルのままとなり、オーバーパスとなる両端のサークル状になっている部分もそのままとなっている。(こちらのPDF参照。)

色のついた部分が、計画予定の道路なのだが、随分イビツな形をしているのは、オーバーパスの名残らしい。
この補助54号線は、現在細い路地に小さなお店が密集した商店街のど真ん中を貫通する。昨日、妊婦であるお友達とワッフル屋さんでお茶をしたが、その店も思いっきり、道路予定地と被っている。駅を出て、5分も歩かないで着く場所にある店だ。

2の小田急線の立体交差事業とは、簡単に云うと、線路と道路を平面ではなく、上下に交差するようにして、踏切の混雑を緩和するためというもの。ではなぜ、駅を地下化するかというと、線路自体を地下に埋めるから。
要するに、地下に線路を埋めて踏切を無くそうというもの。だが、この「連続立体交差事業」という聞き慣れない単語の定義がややこしい。この定義は、「踏切を2カ所以上除去し、鉄道と道路を3カ所以上立体交差させるもの」らしい。
これは妙だ。踏切は2カ所しか無くならないのに、道路と線路は新たに別にもう1カ所交差させないといけない。
ということは、新たに道路を作る必要がある。それが街路10号線と呼ばれるもので(上のPDFリンクを参照。補助54号から下に向かった伸びている部分)、これがどうやら、小田急のシモキタ駅の跡地まで伸びてくるらしい。そしてそこにはバスや車が入れるロータリーを作ろうと、世田谷区は計画している。
道路を新たに作るので、これは道路事業と見なされる。なので、費用は道路特定財源(ガソリン税)から出される。要するに僕らの税金です。小田急という私鉄の企業の地下化が、国民の税金で賄われるわけです。

3の下北沢駅周辺の再開発計画は、上記2つの計画を基本としながら区が定めた地区で新たな建築ルールを定める、というもの。今、区が行おうとしているのは、「壁面後退」の建築ルール案で、これは、今後建物を立て替える時に、引っ込めて建て、少しずつ道を広げていく、という計画です。建物を立てる敷地は減りますが、同時に容積を緩和するので、結果的に大きな道路に高い建物が並ぶ、という形に誘導しようことです。鎌倉通りなんかは、最大8メートルまで広げようとしているので、ここでは最大60メートルのビルまで建てることが可能になってしまいます。
地上60メートルは、大体13階立てのマンションと同じくらいの高さです。

そんなものがホントに出来たら、シモキタの景観は、今とはまったく違うものになってしまうだろう。

前説明だけで、随分長くなったので、
この3つの要素がどう絡んでいるのか、そして、どのような問題を含んでいるかについては、明日書きたいと思います。

下北沢
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