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下北沢に巨大道路が出来ると、何が変わってしまうのか。

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記事初出:2007年07月21日 seesaaブログからの引っ越し。
未だ続く問題で根本の問題点は今もかわっていないため転載しとく。

先週書いた日記の続きです。

(1)まもれシモキタ!行政訴訟の会

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(2)下北沢再開発の何が問題か。

そもそも、シモキタに新たな道路を作ることに、どのような利点があるのでしょうか。なぜ、行政はそこまでして道路を作りたいのでしょうか。

行政側の挙げる利点は、環七や他の周辺道路の混雑緩和、駅前にバスやタクシーが入れるようにすることによる、利便性の向上、防災上の必要性、等。

そして、地区計画の目標として、「建築物の用途や形態の原則を定めることにより、土地の合理的な利用の促進を図り、道路空間の確保と建築物の不燃化を促進させ、『秩序ある景観の揃った町並み』の形成をめざす」とあります。

いわゆる役人言葉なので、わかりずらいですが、要するに、土地の合理的利用とは、商業地区には、無駄なくビルや商業店舗が作られるように区画整理する、建築物の不燃化とは、現行の道路幅では、大きな建築物が建てられない、なので、道路幅を確保し、より大きなビルを建て、よりたくさんのテナントに入ってもらおうということです。

要するに、大きな道路が出来ると、それに伴って大きなビルを建てられるようになるので、今よりたくさんテナント代がふんだくれるわけです。その結果、土地の値段は高くなる。土地の値段が高くなれば、当然家賃、テナント料も高くなる。実際、一年ほど前は、一坪当たり750万円だった土地が、今は 1500万円に膨れ上がっている。地元の不動産業者の元には、毎日マンション業者から土地の斡旋依頼の電話がかかってくると云う。さながらバブルだ。

このシモキタの街を分断する補助54号線が出来れば、今よりシモキタが、行政や土地所有者にとって「儲かる街」になるのは間違いない。

Save The 下北沢の代表、建築士の金子賢三さんは、行政の真の狙いをこのように推測している。
「同じような形で近くの二子玉川の例があります(最高で高さ150メートルを超える高層ビル群が出来る予定)。二子玉川の開発が成功したか、していないかは別として、結果的に二子玉川は儲かっているんです。世田谷区は、二子玉川、三軒茶屋、下北沢を重要拠点としているのですが、税収を上げるためには二子玉川みたいな街が一番ありがたいんです。(中略)その3つの街の中で圧倒的に人が多いのが下北沢なんですよ。また、人数の割に儲かってないのも下北沢なんです。だから下北沢をもっと、お金の儲かる街にしたいというのが本音ではないでしょうか(Switch Vol23 No5下北沢特集
より抜粋)」

行政の思惑通り、高いビルが立ち、テナント料が上がれば、今シモキタでがんばっている個人経営のお店の大半は、おそらくテナント料を支払う事が出来ず、立ち退かざるを得なくなるでしょう。変わりに高級なブランドショップや有名チェーン店が立ち並ぶことになるでしょう。渋谷や新宿、池袋、町田や相模大野にですらあるようなお店がシモキタに溢れかえることになるでしょう。

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まさに世田谷区の目指す、『秩序ある景観の揃った』どこにでもある街になってしまうでしょう。
上の写真は、世田谷区のHPに掲載されている、補助54号線沿い(左)と新たなシモキタ駅前(右)のイメージ図です。本当にどこにでもありそうな感じでしょ?

シモキタの魅力は、あの細い路地を迷いつつ、歩いて楽しめる処にあると思うんです。街を歩いてると、いろんな人をオシャレな若い人もくれば、お年寄りもたくさん、おばさん達もよく道で井戸端会議をしています。人は多いけど、みんな歩く速度がゆっくり。渋谷や新宿ほどには人ごみが苦にならない。
細い、車の入って来れない路地にいろんな店がゴチャゴチャと不規則に並んでいるところが、あの街の魅力でしょう?
上のイメージ図はなんなんでしょう?これはシモキタなのか?
これ以上、東京につまらない街はいらないでしょう。人工的に計画したままの街なんて面白くもなんともないでしょう?
東京において、シモキタは『手作りの街』の最後の生き残りです。
無くしちゃいけないものが、この街にはあると思います。それは多分、戦後日本のいろんなところにあったんだけど、ほとんどのところで失ってきた何かだと思います。

シモキタを守ろう。
http://www.stsk.net/
ここから再開発の見直しを求める署名ができるようになってます。