記事初出:2007年06月27日 seesaaブログからの引っ越し
Switchが再開発に揺れる街、下北沢を特集。
下北沢に初めて降り立ったのは、中学の頃。この街には、古着屋さんがたくさんあるということで、お金のない中学生時代の僕らは、よくこの街の古着屋にお世話になった。Tシャツなんかは、普通に100~500円で売っているし、ジーンズも豊富だった。当時の僕らは色落ちしてるジーンズがとにかく格好いいと思っていたので、古着屋を何件も巡っては、格好良く色落ちしているジーンズを探して歩いた。複雑に入り組んだ路地を行ったり来たり、ファッション雑誌のシモキタ特集号に付いていた地図を頼りに一日中歩き回った。
映画を学ぶようになってからは、役者さんの誘いで時々、シモキタの芝居小屋に演劇を観に行った。この街は毎日演劇をやっている。そんでもって役者さんが毎日居酒屋で飲んでいる。
特集の中で、シモキタという街にゆかりのある人達が、思い思いにシモキタという街の魅力について語っている。下北沢出身の小池栄子は、本多劇場での初舞台(贅沢な!)に小さい頃から知っている商店街の人達が見に来てくれたことに涙を流したと云い、
曽我部恵一と向井秀徳は、シモキタで積んだミュージシャンとしてのキャリアを語る。しまおまほと原田郁子は、ユルい買い物談義。昔から下北沢を知る俳優の原田芳雄は、この街は「駄物八割」でできている、と云う。
下北沢再開発についても、現在計画中の道路予定図と共に掲載されている。現在、検討されている再開発事業は、なんと1946年のGHQ統治時代に作られたものだというのだから、驚きだ。北口商店街のど真ん中に幅25メートルの道路を通そうというこの計画が実現されれば、シモキタの景観は一変してしまうだろう。
でもこの特集号からは、不思議とそんなに悲壮感は漂っていない。行政の横暴を叫弾するという姿勢もあまり感じない。
でも、そんな「ユルい」感じもまたシモキタっぽいと思う。
曽我部恵一のインタビュー中の言葉がとても印象的。「ま、道ができるならできるで、それなりの楽しみ方をみんな見つけるんだろうけどね。みんな変わることがいいことだとは思ってないけど、変わってもそんなにはね、国の勝手な意図によって変わったことで自分らの楽しみまで変わらないぞっていう強いものはあるんだけど。お前らが何をしたところでこっちは楽しんでやる、って」
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