現状ベータ版がアメリカで提供されているのみで、日本からは利用できないので使用感はわかりませんが、Googleの検索コンセプトとはかなり異なる角度から検索というものを捉えていますね。
とりあえずフェイスブックらしさは出ているかな。
Facebookによるプレスイベント。発表されたのは友達間の情報検索を便利にする「Graph Search」
Facebookのプレスイベントにて、CEOのMark Zuckerbergが最新プロダクトの発表を行った。その最新プロダクトは「Graph Search」と名付けられたものだ。
同プロダクトの開発を率いたのはLars RasmussenとTom Stockyで、いずれもGoogleで活躍した人物だ。Facebookは彼らのチームを称して「ドリームチーム」と呼んでいる。
Zuckerberg曰く、このGraph Searchは従来のウェブ検索とは全く異なるものだと説明している。
今回のプロダクトで（現状のFacebookが提供している機能に加えて）できるようになっているのは、指定した関係性を持つ相手を自在に検索してくることです。
via グラフ検索 | Facebook
Googleをはじめとする従来の検索は、キーワードを入力してその語句を含むページや関連性のあるページを表示するようになっていますが、このフェイスブックのグラフ検索は、たとえば「餃子が好きな人」とか「自分の友達の中で人気のあるレストラン」みたいな感じでより質問に近い形で検索バーに入力し、自分のフェイスブックのつながりをベースに検索結果を返すというもの。同じ質問を投げても、自分のソーシャルグラフの構成によってそれぞれ全く異なる検索結果が生まれるわけということですね。
検索対象は人、モノ、映画などのコンテンツや場所も含まれるようになるとのこと。「友達が好きな映画」とか聞いたら、その答えが返ってくるということですね。
すべての検索のデータとなるものは、普段のユーザーのいいねを押す行動を解析したものになるようです。
このいいねをベースにしたデータベースに関してはその精度がどれほどのものなのかわかりませんが、いいねの利用の仕方が各人異なってところもあるので、どうなんかなあ、と思ってしまいますね。
たとえば、昨日（1/15）の雪の次の日に僕は転んで足をちょっと怪我しましたが、これに大丈夫？の意味でいいねを押されるんですよ。いいねを押したけど、いいねって意味じゃないよ、とコメントで付け加えてもらったので、僕にはちゃんとわかってますが、そうやっていいね使う人もいるので、どうなんかなあ、と。
ていうかフェイスブックには意思表示の方法としていいねしかないですからね。「あの人の嫌いな食べ物」とか検索した場合、ちゃんと検索結果返せるのかと。
Googleのキーワードに基づく検索も、いつでもスピーディーに欲しい情報が手に入るわけでもないし、なによりネットの検索市場がGoogleに独占されている状態はあまり健全ではないと思いますので、なんらか全然別のコンセプトの検索サービスが欲しいところだなあ、とはずっと前から思ってはいましたが。
当然プライバシーの懸念はあるのですが、一応写真や投稿などを検索結果から除外できるようにはなってるみたいです。
友達同士、あるいは友達の友達同士で実は共通の趣味があっても、意外と気づいてないってことはあるんだろうなあ、とは普段の生活でも思いますが、そういうのを検索で発見できたりするってことですね。この検索機能は、人とのつながりをベースに人とのつながりを強化するための検索、というのを目指しているのだと思われます。
懸念は出会い系に利用されまくることしょうね。あと情報商材系にも大いに活用できる仕組みであると思いますね。きちんとフェイスブック上のデマや詐欺的なモノを見分けるスキルがあれば使いこなせて面白いのかもしれないんですが、いい話を条件反射的にいいねしてしまうタイプの人にはどうなんだろう。
いや、むしろその本人よりもそういう人を友達に持っている人の検索結果にそういうのがたくさん現れてしまうのか。
このグラフ検索をより確かなものにするためには、いいね以外の意思表示システムがあった方がいいんじゃないですかね。「えんがちょ」とかつけたいウェブサイトもたまにあるしさ。
「痛い」とか「ご愁傷様」とか「ハイヒールで踏まれたい」とかいろいろな意思表示があれば上手くいくんじゃないでしょうか。
公式のページはこちら。説明の動画などがあります。
グラフ検索 | Facebook
日経BP社
売り上げランキング: 13,886