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とある科学の超電磁砲第6巻【ネタバレなし】

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このレベル6シフト編は、ドラマ作る際、視点をどこに置くかでドラマの深さも印象もまるで変わる、ということを学ぶのにとても良い教材になりますね。

原作の当麻主人口バージョンは、巻き込まれた主人公のヒーローモノの印象ですが、この超電磁砲バージョンは、美琴の成長や人間とは何かを描く、とても深いものになっています。

主人公、美琴の覚悟や絶望の深さ、葛藤が段違いに深くなっていて、このストーリーを最もよく描く視点はどこにあるのか、よくわかります。

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このエピソードを通じて、最も葛藤したのは、美琴であり当麻ではなかった。しかし、主人公が当麻バージョンはその美琴の葛藤を描ききることは、やはり難しいです。

同じ話でもこうして視点を変えて描き直すと完全に別の作品として成立しますね。

学園都市全てを的に回してでもこの実験を止めると決意する美琴。

補習帰りの当麻と偶然出会うあのシーンも、原作やアニメではさらりと描かれていましたが、このマンガ版が圧倒的な強さを持った覚悟のシーンになっています。

そしてツリーダイアグラムがすでに大破していることを知る美琴の絶望感がスゴい。あの明るいツンデレヒロインでは無くなっています。このへのドラマ作りが見事ですね。

それにしても、あの橋での美琴と当麻の邂逅のシーンの濃さと、当麻のかっこよさ。美琴視点ならではだよなあ、ホント。
当麻がどれだけ美琴の心を救っていたのかが本当によく描けていますね。