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ソフトバンク&イーアクセス、経営統合記者会見要旨

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本日(10月1日)、突然ソフトバンクが買収されるというニュースが午後飛び込んできて、すぐさまソフトバンク孫社長がTwitterにて記者会見を17次から行うと発表しました。

また急転直下というか電光石火というか。驚きますね。iPhone 5におけるKDDIさんとの競争(狂騒?)では劣勢を強いられていたソフトバンクさんですが、ここでまたも大きな打ち上げ花火を上げてきました。話題に事欠きませんね、よくも悪くも。

さて、今回は17時から行われた記者会見の概要です。全て追いかけきれたかどうかは不安ですが、とりあえずブログは備忘録でもあり、メモでもあるので。
ネタフルのコグレさんのエントリーやその他多くのニュースサイトやブログで記事が出るとも思いますが、ここでも記しておきましょう。

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文章の言い回し等は僕の良い方に変わっています。ニュアンスを汲み取ってもらえればと思います。

記者会見の要旨とモバイルの通信制限の見直しについて

記者会見は孫社長のプレゼンから開始。イーアクセスの千本社長も同席。

12年前ヤフーBBを初めて、それと時を同じくしてイーアクセスさんも始まった。ADSLでもよき競争相手であったし、2005年にモバイル事業に進出したのも同じタイミング。2007年には戦略提携もし、ともに強力しあいながらも競争をしてきた、この業界のベンチャー。

我々は志は同じ。ならば根っこから強力しようと持ちかけた。そして互いに強力して最高のモバイルブロードバンドを提供しましょうということで合意した。

イーモバイルさんは1.7GHzでのLTE展開をしている。これは世界の標準バンドであり、iPhone 5もこれに対応している。3G時代とLTE時代では1.7GHzの持つ意味が全然違っている。

ソフトバンクは2013年までに2.1GHzのLTE基地局を2万局を目指す。イーアクセスの1,7GHzのLTEは同じ来年3月までに1万局を予定。合計で3万局。これはauよりも多い数となり、エリアもより広がる。

この2つの帯域でのLTEの電波によってネットワークの相互活用を可能にする。これを一台のiPhoneで両方受けられるようにする。

イーモバイルのスマートフォンユーザーもソフトバンクの帯域を利用できるので利用可能範囲が拡大されるし、音声通信にも活用できるようにする。両社のユーザーにとってメリットのある統合となる。

イーアクセスさんとは以前から親しかったが、このような急展開になった背景にはテザリングの問題がある。このテザリングをネットワークを倒さずに安全面を考慮してソフトバンクからラブコールを送った。テザリングによってこの経営統合が押し進められた。

前回の記者会見では、テザリングの開始を2013年1月15日と発表したが、それを12月15日に前倒しする。前回の会見の時には、できればやりたくないといのが本音だったが、今回は違う。少なくともテザリングを提供する構えを作る事ができた。
今回の経営統合によって、十分基地局と電波の確保が可能になった。

さて、5460円のパケット定額プランに「1.2GB/月を超えた場合、速度制限をかける場合があります」という記載があったが今回それも見直す。ネットワークを倒すわけにはいかないので、保険の意味合いで入れていた表現だが。

これを「1GB/3日を超過する時は、制限をかける場合がある」という各社共通の基準に揃える。これは本日から適用となる。

今日の午後の取締役会で決定したことだが、ヒヤヒヤだった。イーアクセスさんが受けてくれなかったら発表できなかった。
これでテザリングなしの場合のデータ通信量はなし、テザリング契約時は7GB/月、そして「1GB/3日を超過する時は、制限をかける場合がある」と各社共通の基準となった。

経営統合について

株式交換となる。年内に完全子会社化を目標としている。評価額は市場価格よりもかなり高い1株5万2千円

企業価値について。純利子負債を差し引いた分の3倍半くらいの値段をつけた。
減価償却後の設備投資額が2260億円、顧客獲得コスト(1ユーザーあたり3万円で計算x現イーモバユーザー数?)1360億円、そしてシナジー効果の3600億円。

シナジー効果は主に以下の3点。
・顧客基盤の強化・・・1.7GHzのおかげでより顧客を獲得しやすくなる
・ネットワークの共用・・・バックボーンの共用によるコスト削減効果、設備投資効率化
・その他 経営効率化・・・その他もろもろ

イーモバイルのブランドが継続して残す。ソフトバンクのメリットとして、LTEのダブルエンジンによる、顧客獲得のしやすさ、イーモバイル側のメリットは、スマートフォンユーザーにさらに広いエリアを提供できるということになる。

ネットワーク共用のイメージ。基地局の設備は同じメーカーを使っているのでやりやすいだろう。

その他の経営効率化について

4+3=2。4位のイーアクセスと3位のソフトバンクの統合により、参加のウィルコムと合わせて契約数は業界2位となる。

これで契約数が合計3911万となる。(多分KDDIはWIMAXの契約数含まずの数字ですよね、これ)

これで以前目標にかか出た4000万会員突破は今年中に達成の見込みとなった。

そして時代はLTEの時代に入っている。あっちこっちといろんなことに手をつけたが、それも全てLTEでの競争に勝つため。
ソフトバンクとイーアクセスは共に、日本のブロードバンドの開拓者であり、世界一安いブロードバンドを提供してきたという自負がある。

今度はモバイルブロードバンドでNo.1を目指す。

イーアクセス千本社長の挨拶

何とか日本のインターネット環境を変えたいと思い12年前に会社を始めた。何とか日本を世界有数のインターネット大国にしたいという思いでやってきた。
ADSLでは孫さんのソフトバンクと激しい競争をする関係になったが、モバイルでも同じく競争する立場となった。我々は0からネットワークを構築するという道を選んだが孫さんはボーダフォンジャパンを買収するという道を選ばれた。

また、成長の過程においてもソフトバンクさんは最大の顧客でもあった、大事な顧客関係を維持しつつも今まで激しい競争を続けてきた。

各社からもいろんな提案を頂いていたが、孫さんからの大変熱意ある提案を受け入れることにいたのは、イーアクセスという会社のDNAがソフトバンクさんと共通するものがあるから。

それに我々の世界標準の1.7GHzのLTEとソフトバンクさんのiPhone 5が合致したら、自分たちだけで成長するよりも早く成長できるのではないかと考えた。
それで本日の緊急取締役会でこの決断をした。

夢を共有してソフトバンクグループの一員として日本のブロードバンド革命を押し進めていきたい。

質疑応答(抜粋)

Q:イーモバイルの700MHzの周波数も所有することになるが、900MHzと両方持つ事に対して公平性という観点でどう思うか?

A:ドコモとKDDIともの800MHzの広く周波数を持っていて、こちらはまだ統合してもまだ足りないくらいだと思う。

Q:LTEの話が多かったが、いつから経営統合を考えていたのか?あえて経営統合という道を選択した理由は?

A:三年前くらいから考えていたが、今回のiPhone 5の件で一気に加速したという感じ。MVNOなどの方法もあるとは思うが、経営統合し、より深い部分で結びついて、より深いネットワークの統合をしないとユーザーに信頼されるサービスを提供できないと判断した。

Q:イーモバイルからiPhone 5発売の可能性は?iPhone5 を巡る競争が今回の決断を後押ししたのか?

A:(千本氏)iPhoneを売るというのは難しいと思うが、(SBの)代理店として扱うという事は考えられる。
(孫氏)iPhone5が経営統合に影響を与えたのかとういうと、イエス。
前から親しかったし、より深い関係になりたかったが、今回必死の思いでお願いしたのは、テザリングやりましょうと言った瞬間だった。1週間前くらいの話。

Q:900MHzの立ち退きの前倒しの予定の変更はあるか?

A:ソフトバンクのプラチナバンドの普及は世界的に類を見ないスピード。さらにLTEも同時に進めている。基地局の建設バブルと言える。
(千本氏)世界でLTEが一番伸びているのは日本。その競争をさらに加速させる。

Q:テザリングの開始が一か月前倒しだが、ダブルエンジンで使うのにはiPhone5の調整が必要だと思うが、まずはイーモバの1.7GHzから開始するということか?
またイーアクセスの他社との業務はどうなるのか?

A:ソフトバンクの2.1GHzから開始する。技術的設計の問題もあるし、Apple社ともすり合わせの必要もある。Apple者とはこれから詰めていく。既存のiPhone 5ユーザーはアップグレードなどの対応が必要になると思うが、それも含めてこれから調整していく。

(千本氏)楽天など、他社との関係に特に変化はない。むしとユーザーが利用できるエリアが広がるのでメリットが大きいと思う。
他社とのMVNOに関しても少なくとも現段階では現状維持となる

Q:負債も連結となるが。

A:負債も一時連結となるが、十分健全な範囲と考えている。会計などとのすり合わせもこれからつめていく。

Q:イーモバイルの420万のユーザーはデータ通信のユーザーが多い。音声の会員と比べて流出しやすい属性だと思うがどう考えるか。
そして今のイーモバイルのユーザーにメリットはあるのか

A:イーモバイルの会員は先進的なユーザーが多い。スマホユーザーが多いし、SBユーザーではないのであれば追加のバンドルサービスをオファーしやすい。バリューパックのようなオファーも可能になる。

イーモバイルの解約率のは成績はいいし、価値は高いと考える。イーモバユーザーのメリットはエリアの拡大などSBのサービスを受けやすくなる。

Q:イーモバイルのブランド今後どうなるのか?

A:ウィルコムもソフトバンク傘下になり、そのブランドで過去最高の契約数を獲得するまでに成長している。イーモバイルのブランドも尊重していきたい。

Q:5万2千円という評価額について。また千本さんもアクの強い人だが、そういう人が孫さんの下に入ってやっていけるのか。新しい挑戦を考えたりは?

A:直近の株価に対して不満だった。当社の企業価値をどう高めていけるか考え、これ(経営統合)が一つのソリューションではないかと考えた。
5万2千円という金額を提示していただいて妥当と感じている。

孫さんの元でどう働くかはやってみないとなんとも。

私はともかく社員がきちんと、ワクワク働けるによろしくお願いしますというのを契約にいれて頂いて満足している。

こんなとこかな。
とにかく、iPhone 5の登場によるLTE本格時代を強烈に意識しての経営統合という感じですね。iPhone 5の登場はそれほどまでに衝撃だったようです。

たった一台のスマートフォンでこれだけの大きな決断を(間接的にではあるけども)2社に迫るAppleの影響力の大きさを改めて感じました。テザリングとLTEとはそこまで大きな地殻変動を起こすものなのか。。。

さて、僕個人はiPhone 4をソフトバンクで、LTEのイーモバイルのポケット Wi-Fiを使用していますが、こういうユーザーは何か恩恵があるんでしょうか。セット割りを匂わす発言はありましたが、今は余裕のまるイーモバイルの帯域が圧迫される恐怖も感じます。。。。てか月7GBになるの?イーモバイルも?

またイーアクセスはADSL事業では回線を各ISPに提供し、モバイル事業でもMVNOで他社に回線を提供しています。イーアクセスブランドは残すようなので、今すぐADSLのホールセールもMVNOも無くなるということはなさそうです。

しかし、MVNOに関しては、「少なくとも現時点では」という言い方を千本さんはしていましたね。言葉通りといえば言葉通りですが、MVNO事業がこれから親会社となるソフトバンクに何か利益があるかと、そうでもないように思います。他社に回線貸すくらいならウチにまわしてよって感じでしょうし。

将来的にはどうなるでしょうか。

とりあえず、ソフトバンクのiPhone 5はこれでauと方を並べることができました。さてあとはダブルエンジンが上手くいくかですが。サービスインしないと何も確かなことは云えませんね。

「これから詰める」みたいだし。