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遠隔操作ウイルス犯人逮捕はこの事件の終わりを意味しない

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遂に逮捕されたようです。ただ逮捕された男性は容疑を全面的に否認しているので、真犯人かどうかはまだ断定できない状態です。

遠隔操作事件 都内の30歳男を逮捕 NHKニュース

パソコンの遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は、都内に住む30歳の男が去年8月、インターネットの掲示板に漫画のイベントでの殺人を予告する書き込みをしたとして威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
男は「事実ではありません」と容疑を否認しているということです

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当初はまったく犯人の手がかりを掴めなかった警察が今回、男性を犯人だと断定する根拠となったのは、ネコにSDカードを取り付けた際の防犯カメラ映像ということで、犯人がオンラインからオフラインへと乗りだしてきたことによるもの。オンラインでの活動に限定されていたら、犯人の手がかりはなかったということになるでしょう。

そういう意味では、仮にこの男性が真犯人だったとしても、警察の操作手法に進歩があったわけではなく、今後同様の犯罪が起きたときにどう対処するのかについては、具体的な策は見えません。オフラインの防犯カメラ以外に決め手がなかったのだから、サイバー犯罪に対処できたとは言い難い。

今回の事件が突きつけた問題は、警察のサイバー犯罪に対する操作能力と自白偏重主義の弊害。ネコにつけたSDカードの内容は果たして実際の遠隔操作事件に関連する物的な証拠があるのかどうかわかりませんが、ああいう形で犯人がわざわざ警察に対して「エサ」を撒くようなことは通常あり得ないので、今回の逮捕は手柄でも名誉回復にもなっていないと思います。言うなればタナボタ。

そして、密室の取り調べで自白され取れさえすれば犯人を仕立てることができてしまう制度にも当然不備があるわけで、その辺の改正をするという議論が起こらないと意味がないと思っています。

一方でトーアのような匿名ツールの使用の是非の問題も考えないといけないところですね。これはネット上のプライバシーの問題とどうバランスを取っていくべきなのかの答えの出にくい問題ではありますが。

いろいろな課題を残す事件となりましたので、仮に彼が真犯人だったとしても、逮捕されてよかったねで終われる事件では全然ないですね、これは。

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