家入一真さんの自伝「こんな僕でも社長になれた」をepubで読んだ。家入さん自身が作ったブクログのパブーというサービスから売ってます。
連続起業家として有名な家入さんの子ども時代からペパボ買収されるまでの話。
家入さんがかつて引きこもりだったこと、子ども時代貧乏生活、大学受験失敗と画家になりたかったこと、住み込みの新聞配達時代、奥さんとの出会い、そしてロリポップ立ち上げの経緯について、読みやすいフレンドリーな文体で綴られている。
家入さんは突飛なアイデアをしょっちゅう思いついては、すぐに実装する人なんだけど、そうしう彼のアイデアマンとしての原点は、貧乏な子供時代にあったのかもなあ、と思いました。
貧乏だけど、妙に物が多い生活だったらしいんですが、お母さんがどこからかいろいろ譲り受けてきて、それをお父さんが改造して蘇らせる。
「またこんなの貰ってきて……」
小言を言いながらも工具を取りだし、よそからやってきた使い古された家具を、器用な手つきで我が家にちょうどいいサイズに作り変えてくれるのだ。
お母さんのチャレンジ精神も中々スゴい。この辺もしっかり受け継いでる部分が少なからずあるんだろうなあ。
もともとはそれなりに豊かな家で育った母さん。ところが十七歳の夏、高校卒業まであと半年というときになって、なんとイキナリ家出、そして上京。美容師になりたい、今しかないと考えた末に、手元にあった五千円を持って家を飛び出したのだという。
引きこもったり、画家を目指してみたり、起業してみたり、人生って設計通りには上手くいかないからね。成功したヒトですらそうなんだよね。
その成功してる人はその過程でいろんなものを諦めてる。家入さんの場合は、そうせざる得ない状況の連続だったわけだけど、そういう壁を一個一個超えた先に今の成功があったんだ、とまあ当たり前ですが、こういう事実基づく物語を読むと、改めて身につまされますね。
全体的には成功へのサクセスストーリーとかではなく、家族についての物語です。けっこう素直に感動しました。