One voice Campaign [NoVoice → OneVoice].
公職選挙法にははっきり「選挙公示期間中には、インターネットでのブログやソーシャルメディアの更新を行ってはならない」
なんてことは書いてありません。
そらまあ、1950年に制定された法律ですから、書いてあったら怖いですが。
しかし、現在日本でなぜ選挙公示期間中にブログもツイッターも更新してはいけないことになっているかというと、この公職選挙法が原因になっています。
問題はこの公職選挙法の中に書かれてある「文書図面の頒布」を巡る解釈なわけですね。
公職選挙法では、この選挙運動を目的とした文書図面は選挙管理委員会の許諾を得た一定数の文書図面しか配布できないことになってます。
これの一定数の規定がないと、金持ってる候補者と金持ってない候補者でフェアな競争にならなくなってしまうからですね。
お金があればバンバンチラシすって、物量作戦に持ち込めちゃいますから。
簡単に云うと、許諾を得ていない文書を道に置いたりして頒布したらいかんと云ってるわけですね。
法律というのは条文が絶対で、この条文に沿ってあらゆることが法の下で運営されるわけですが、この条文は時にどのように解釈すべきか、時代とともに変わるものです。
1950年に制定された公職選挙法は、インターネットを想定していません。当時ネットないですから。
しかし、選挙活動を規定するのはこの法律なので、インターネットという情報提供の新しい手段も、この法律の条文内の解釈で検討しないといけません。
そこで総務省が出した「解釈」は、超絶ウルトラCなモノでした。酔っ払いの放言に近いレベル。
総務省の見解は、ディスプレイに表示され、読めるものは全て文書であり、ウェブ更新は、頒布にあたるので、候補者は選挙期間中インターネットの更新はできない、というものでした。
ネット上の情報が文書であるという解釈もかなり強引ですが、ウェブの更新作業が頒布にあたるというのは、さっぱり意味がわかりません。見たい人が自分でリンクをクリックして見にいくのがウェブだしね。
公職選挙法で、文書図面の頒布の一定数を決めているのは、これを決めておかないと金にモノを云わせて物量作戦できる人が圧倒的に有利になってしまうからなのですが、その意味で云えば大した金もかけずに情報を発信できるインターネットはむしろ、公職選挙法の「理念」には叶っています。
もちろん、この程度のことは総務省の役人さんたちもわかっているでしょう、とすれば、このトンデモ解釈をアップデートしない動機はなんなのか、ということです。
ネットによる情報流通は、今まで金にモノを云わせて選挙活動をしていた人たちには非常に都合が悪いでしょう。利権を握ることによる動員のドブ板選挙が、僕らの国の選挙運動であり、そういう選挙では投票はお目こぼしを頂戴するためであり、投票の見返りとして政治家は利益誘導をするわです。
民主主義というより、資本主義的に日本の政治は今までまわってきたようなところがあります。これを続けたい人たちがいるってことなんでしょうねえ。
2008年、僕はアメリカにいましたが、オバマ政権誕生をアメリカで体験しました。オバマのインターネット、とりわけソーシャルメディアの積極的な活用は、日本でも良く知られているところです。
あの時の熱狂はすごかった。フェイスブックもYouTubeもオバマの情報を見かけない日は無かったですね。彼のメッセージはネットを通じて多くの若者に伝わり、若き有色人種のリーダーが誕生するにいたりました。
2012年、今またオバマは二期目の再選に向けて、活動をしています。またもや彼の顔を見ない日はありません。先日、現職の大統領としては初めて同性婚を支持するメッセージを発表しましたね。
あのメッセージは歴史的には非常に重要です。オバマが初めての有色人種の大統領である、ということに匹敵するほどのアメリカの政治史の中では重要な意味があると思います。
うすぼんやりと思いますが、あのメッセージを出せるリーダーは、インターネットがなければ生まれなかったんじゃないかな。
もういい加減、前に進もう。こんなくだらないことで足踏みして、落ちぶれてしまうような国じゃないんですよ、日本て国は。
インターネット選挙運動が日本で解禁されたら、もしたしたらこういうワクワクさせてくれる政治家が日本でも出てくかな。