昨日の日本のIT業界は、LINEのカンファレンス、「LINE Hello, Friends in Tokyo 2012」で持ちきりでしたね。
正直LINEがこんなに大流行するなんて思ってもみませんでした。
だって、名前が地味だし、アプリのアイコンも似たようなのたくさんあるし。
いや、しかしすごいですね。
さて、破竹の勢いでユーザー数を伸ばして今や日本のIT業界でも再注目の存在となったLINEですが、昨日のカンファレンスの内容をネタフルのコグレさんが詳細なレポートをアップしていたので、それを参照して感想を書いてみます。
LINEの未来が分かる!「LINE Hello, Friends in Tokyo 2012」レポート
リリースが昨年の6月11日。1年で4500万人のユーザーを獲得というのは、すごい勢いですね。フェイスブックをはるかに超えている。
「LINE」を使うためにスマートフォンを買う人もいると聞いている。「LINE」こそが、スマートフォン革命ではないか。
この言葉は、すごい自信だなと思いますが、スマートフォンはあらゆるアプリを自分好みに選んでカスタマイズするもので、スマフォそのものがプラットフォームという位置づけであったわけですが、LINEの登場は、スマートフォンというガジェット、さらには携帯キャリアに対してアプリ優位なプラットフォームのあり方を提示するかもしれません。
要するにLINEがやりたい、ということならどのスマホからでもできるわけですから、どのスマフォかはあまり問われることがなくなる。今は他にも多くのアプリのある中で、iOSかAndroidかというのは非常に重要なプラットフォーム選択になってるわけですが、
「LINEがやれれば何でもいい」という状況がもしくるのなら、キャリアが土管屋なのはもちろん、ハード側も「ただのハコ」と化すかもしれないわけですね。
その意味で、LINEの登場の意義は大きい。モバイルにおけるコンテンツのプラットフォームが、携帯キャリア→スマホ(ハード)→アプリという移り変わりの最前線にいるってことですね。
スマートフォンをただのハコにしてしまえるほどのパワーがあるのかどうかは、まだわかりませんが。
現状のLINEはコミュニケーションのツールという感じですが、ここから、あのシンプルさを損なうことなくプラットフォームへとどう脱皮するのか。
昨日のカンファレンスではっきりとプラットフォームへと向かうことを打ち出したLINE。
人と人から、コンテンツ、サービス、ビジネスを繋いでいく。「LINEチャネル」新しいエコシステムに。ショッピング、ムービー、グルメなど様々なサービスが「LINE」上で。
ふむ。ではLINEでどんなコンテンツをあり得るんでしょうか。
LINEトークノベルはすでに第一弾がリリースされていて、ちょこっと感想も書いたのですが、コミュニケーション x 物語という仕組みは、人工知能がもっと発達すれば有力なコンテンツとなりますね。
成功の鍵はこういう、LINEのコミュニケーションツールとしての特徴を生かしたコンテンツにあるのでしょうね。あるいはコミュニケーションそのものがコンテンツ、今コンテンツを呼ばれるものは、それを発生させるためのきっかけ作りに過ぎなくなるという可能性も?
LINEはモバイルベースであることから、ヘビーなコンテンツよりも軽いモノが好まれるでしょう。
昨日の発表では、ゲーム、占い、お店のクーポン、ニュース配信やサウンドコンテンツなどが提供されるようです。いずれは映像コンテンツもでてくるんでしょうか。基本的にはショートクリップ的なモノが好まれるのでしょうね。
昨日の発表の写真をみると、ゲームではそれなりのリッチコンテンツが用意されているようにも見えますね。
まあ、昨日もツイートしたんですが、映画の人間である僕的にはちょっとした危惧もあるのですが、
LINEみたいなサービスがプラットフォームになるとすると、コンテンツは益々軽い感じのものになっていくよなあ。世界が軽いコンテンツばかりになってしまうなあ。
— 杉本穂高 Hotaka Sugimoto (@Hotakasugi) July 3, 2012
軽いコンテンツも世の中には必要ですが、そうではないコンテンツの活躍の場が少なくなり、人のお金の使い方も軽いコンテンツに流れていくのかと思うと、映画好きな僕としては寂しいなあ、ということですが。。
あとは、プライバシー問題と出会い系対策はしっかりやっていただきたいですな。
せっかく日本から世界と戦えそうなサービスが登場したので。
フェイスブックがモバイルシフトに苦戦している中、LINEはけっこう絶妙なタイミングで出て来たという印象もあります。
是非頑張ってほしいですね。
インプレスジャパン
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