つい最近60巻が発売されたような気がするけど、もう新巻発売です。
60巻の最後でイタチと運命的な再開を果たしたサスケがイタチの真実を本人から問いただすために食い下がる。しかし、イタチは穢土転生を止めるべく、カブトのもとに向かっておりそれどころではない。
一方で五影VSうちはマダラの方は、火影であり、初代火影柱間の孫である綱手をまず狙うマダラに対して、綱手が真の力、百豪の術を見せる。印を結ばず医療忍術を発動させるその術でマダラに対抗する。
カブトと対峙するうちはの兄弟は、仲違いしているようにも見えて良いコンビを発揮している。しかしカブトは仙術を極めており、けっこう苦戦するイタチとサスケ。
しかも穢土転生を解除するために、カブトを殺してはいけないという制約つき。
そこでイタチはうちはの禁術、イザナミを使う。無限ループの罠にはめるこの術でカブトは自分を認められないまま、イタチと無限ループの中で闘い続けている。
ノノウというマザーに拾われ孤児院で育ったカブトは、根のスパイとして、孤児院を守ろうとしたノノウの意を汲んで根のスパイに志願する。いくつもの組織に潜入し、いつしか自分が何者かわからなくなったカブトは不幸にもダンゾウの計略によってノノウを殺めるハメに。
そうして心の死んだカブトを拾ったのは大蛇丸だった。自分が何者かわからなければ、この世の全てを取り込んでしまえばいい、という大蛇丸の言葉が今のカブトの心を形作っていた。そうして何もかも他人を取り込み自分を見失っいることを認められないカブトは、イザナミのループから抜け出せない。。。
主人公のナルトは今回お休みで、五影のエピソードが少し間に入るものの、基本的にはイタチ、サスケ、カブトの戦いがメインのこの巻。もっというとイタチとカブトというスパイとして生き、自分を偽りながら生きて二人の男のドラマというような作りになっている。サスケもまだイタチに比べると子供っぽいし、この世界の深いところに触れていないんだなあ、という印象をこの巻では受ける。
イタチが背負って来たものの重みを感じさせる巻になってます。
イタチとサスケのイノシシのエピソードは微笑ましさと感じる唯一のシーン。そんな思い出もあったのだね。
イタチのイザナミの説明が一部2ちゃんとかでもいろんな突っ込みが入っていたが(笑)、まあ、AとかAダッシュとか云われて説明されたらちょっと笑うよね。
あの回はホント説明回だったなあ。こうして単行本で通して読むと、きちんと必要なエピソードだった思うんだけど。連載ってのは難しいものだなあ。毎週の連載での見せ場と単行本で通したときの完成度を両立させる計算能力ってのは実はかなりスゴいものだよなあ。
映画の三部作よりもはるかに難しかろう。
イザナミに捕われたカブトは、ようやくその中で最後に自分の顔を思い出す、というところで終わっているこの回。
本当の自分を見つめる、というのは難しいもので、しかも自分で嘘の存在の自分を創りあげてしまった人間にはなおさらのこと。弱い自分を認める勇気を持つのは大事なことですね。ネットで自分の間違いを認めることができない人もいるのだが、そんなに強がってみても無限ループにハマるだけなんじゃないすかね、とかこの巻読んでフト思ったよ。
他人の力で自分大きくしてもダメだったことだよね。