QRコードは現在。オフとオンを手軽に繋ぐツールとして良く利用されていますが、生者と死者を繋ぐツールとして、これを活用しようという動きがあります。
Graveyard tech: QR codes to bring cemeteries alive | Digital Trends
BBC放送でも紹介されていたようですが、デンマークのRoskilde(ロスキレ)という街の墓地でお墓にQRコードを埋め込み、それを読み込むと、そのお墓に眠っている故人の生前を記録したページを表示する、という試みを始めました。
お墓そのものにQRを刻むのでなく、脇に小さな杭のようなものを立てて、そこにQRコードを刻印しています。
一つ100ユーロで、写真やテキストだけでなく、オーディオデータや動画も収めてくれるとのこと。
デンマークの一番大きい墓地製造会社のNiels Kristian Nielsenさんは、QRコードをお墓に埋めることがいつか常識になるだろう、と語っています。
「人間だれしも人生において語るべきストーリーがある。この方法は人の人生を語る上でとても良い方法だと思いまし、墓地に訪れることに対してもっと興味を抱いてくれる人が増えるでしょう」
お墓には誕生日と無くなった日が刻まれまるが、人間の人生がその数字だけで語れるものでは当然ありません。こうして死者の人生を記録しておくことで、僕らは死んだ人の人生をもっと深く知ることができるのですね。
自分の家族などのお墓参りに行った時って、一番その今はいないその人に興味を持てる瞬間だと思います。その時に故人の人生をかいま見れるというのはいいかもしれませんね。
次の世代に何か大事なことを繋ぐ。それは技術とか遺産とかそういうものだけじゃなく、人生の記憶もまたとても重要な教訓として残していくべきものです。
文学や演劇や映画は、フィクションという形で「集約的に」過去の記憶を次世代に繋げる役割を社会に対して担っているだろう、と思いますが、家族というミニマルな単位でそれぞれが何か繋いでいくというのは、とてもステキです。
戦争体験なんかもやはり自分の肉親から聞く話が一番身につまされると思うのですよ。そうした過去に触れる機会の場として、もしかして墓地って最適なのかもしれません。