2012年4月5日、米グーグルの最高経営責任者(CEO)就任から1年をへたラリー・ペイジ氏が“2012 Update from the CEO”という投資家向け書簡を公表した。「CEOに就任し、私は経営陣の再編とプロジェクトの集約にとりかかった。(グーグルは)多方面に手を広げ、組織が薄く広がりすぎていたからだ」――。そんな書き出しで始まる書簡からは同社の戦略ポイントが読み取れる。モトローラ・モビリティー買収やプライバシーポリシーの統合など新路線を打ち出しつつ、ソーシャルビジネスの攻略を図るペイジ体制の1年を振り返り、グーグルのこれからを考えてみた。
日経のテック系記事ではお馴染みの小池良次さんの記事ですね。
Google CEOがエリック・シュミットからラリー・ペイジに交代となってからの一年を振り返る記事です。
この一年のGoogleの一番大きな方針転換はやはり、シュミット時代に乗り遅れたソーシャルメディア事業への転換でしょう。今までもGoogle BuzzなどのSNSサービスを展開しては鳴かず飛ばずだったGoogleもついに鳴り物入りでGoolge+を開始。
サービス開始当初は、そのシンプルなUIとYouTubeやPicasaなどのGoogle各サービスとのシームレスな連携で、瞬く間に評判となり、ものすごい勢いでユーザーを伸ばしました。
その一方、経営再編を掲げて、多くのサービスを統廃合してサービスラインを簡素化。あまりに多く散らばっていてサービスがとっ散らかっていた印象のあったシュミット時代のGoogleですが、ペイジ体制になって有力な「勝てる」サービスに資源を集中するという方向性がはっきり打ち出されました。
実際、1年前の僕は、Googleサービスをそんなにたくさん利用してなかった気がします。検索とドキュメントを少々。まあYouTubeは見ますが。
バラバラで使いにくかったものを一つにまとめて連携させることで使いやすくなったことは確かだと思います。
Google+もけっこう楽しいので、継続して使い続けています。SOPAの時は大量にフォロワーが増えました。SOPA関連のニュースを毎朝たくさん流していたんですが、かなり好評でしたね。
もう一つこの1年のGoogleを悩ませたのは知財バトルでしょうね。英語のテック系ニュースサイト見てると、毎日のように特許関連の訴訟のニュースがあるんですよ。もう、複雑すぎて何がないやらわからない感じに途中からなりましたので、ウォッチするの辞めましたが。
モトローラの買収は話題になりましたね。ソフトのGoogleがハードウェアに進出か、と騒がれましたが、最大の目的はモトローラの持つ特許だったようですね。
モトローラは携帯電話を製造しているので、他のアンドロイド端末メーカーからも反発が上がりました。モトローラが優遇される懸念は今も拭えていないんじゃないでしょうか。
あとモトローラは、ケーブルTV用のセットトップボックスも製造しているので、GoogleTVのテコ入れか?なんて噂もあったんですが、こちらの動きはないですねえ。
まあ、プライバシー収集の問題などが取りざたされたりして、色々と大変な一年だったんじゃないかと思いますが、Chromeは順調に成長していますし、YouTubeはこの分野では現状敵なし、アンドロイドもなんだかんだ言ってシェアを取ってますから、悪くないんじゃないでしょうかね。
懸念はやはりソーシャルメディアでしょうか。柱の検索事業は、ソーシャルメディアの台頭によって直接脅かされているわけですから、ソーシャルメディアに対してどういうアプローチでいくのかはっきり示さないといけないんですが、Google+も始まった当初の勢いはよかったんですが、現在は中途半端な感じなんですよね。
人のソーシャルの行動が全てGoogle+になればいいでしょうが、現状それはかなり非現実的。現在の行動履歴の収集は中途半端な状態にあると言えます。
これで検索にどこまで影響を与えるべきか、というのは非常に難しい問題です。
やはりソーシャルメディアは口コミのメディアなので、検索という行為とは相いれない部分があるのですよね。
ソーシャルで何が話題になっているかを定量的に検索できるようになるといいとは思いますが。
この話題についてのつぶやきは何件、とかね。
手をこまねいている内に、フェイスブックはどんどんユーザーを拡大しています。もうすぐ10億ユーザー達成ですからね。
10億人の詳細な個人情報と行動履歴を手にしたら、どんなサービスでもできそうな感じです。
さて、次の一年はどうなりますでしょうか。今度こそソーシャルメディアのテコ入れに力を注げるんでしょうか。
売り上げランキング: 4,471