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【ネタバレなし】悪の華第6巻感想

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面白いね、悪の華。

中学生時代ってのは、比較的純粋な小学生時代と、半分大人の高校時代の間に挟まれた奇妙なドロドロ時代。
そのドロドロ感をリアルに表現した作品は多々あれど、これはかなりの出来映え。

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リアル中学生日記としては、エヴァンゲリオンをも超えるんじゃないかな。
これに匹敵するのは岩井俊二のリリイ・シュシュのすべてくらいじゃないかな。

春日の知っている世界はすごく狭くて、中学生くらいになると、その世界の狭さにうんざりし始めるんだよな。でも様々な社会的要因で中学生は子供の世界に押込められちゃう。それへの苛立ちはすごいあって、それから精神的に逃れるために、ある人は音楽にハマったり、映画にハマったりするんだろうけど、春日は文学だったわけだ。文学で自分を囲む世界が真実じゃない、と思えていた春日には、どこかイッっちゃった感じの中村さんに惹かれるのはよくわかる。

連載では読んでないんだけど、もうクライマックスに近い感じなのかな、これ。

「向こう側」の世界はなく、世界はどこまで行っても灰色。これを認めるのは中学生にはすごいツラいことだと思う。
いや、大人でもツラい。大人はその事に適当に目をつぶっているにすぎないね。やり過ごす術を学んでいるというか。

中村さんのバット持った襲撃シーンが怖さを解放感がないまぜになったすごいシーンだったね。
次巻が楽しみでしょうがない。